日本を代表する映画監督・羽佐間耕平の新作映画の準主役に大抜擢された若手俳優の鮎川真琴。しかし、実力派揃いのキャストの中で、見た目だけで演技に自信のない真琴は、大正時代の退廃的な画家という難しい役どころに惑い、追いつめられていく。縋ることができるのは、突き放すような視線で真琴の弱さを見抜き、それでも静かに受け止めてくれる助監督・阿久津郁馬の存在だけ。本物の輝きを手に入れたい—苦悩し足掻いた真琴は、自らを汚すため、阿久津に身を委ねることを決意するのだが—!?本物の輝きを得るために、一本の映画にすべてを賭ける男たちの、情熱と艶—。大正時代のロマンティシズムと若き俳優の焦燥が綾なす、久能千明のスペシャル・ロマンス。【「BOOK」データベースの商品解説】