西暦2109年。人間の精神を数値化し、最適幸福が追及できるようになった未来世界で、システムの導き出した“犯罪係数”をもとに、犯罪者とその予備軍“潜在犯”を取り締まる治安維持組織“厚生省公安局刑事課”。潜在犯でありながら犯罪捜査の実動を担う“執行官”と、模範的社会性を持つキャリアとして執行官の監視・指揮を担う“監視官”のチームで活動する彼らは今、後に“標本事件”と呼ばれる猟奇殺人事件“広域重要指定事件102”に総力を持って当たっていた。ある雨の日、廃棄区画で発生した騒ぎの鎮静に向かった一係所属の監視官・狡噛慎也と執行官・佐々山光留は、区画の片隅で、私立女子の名門“桜霜学園”の生徒・桐野瞳子と出会う。それは、待ち受ける悲劇の始まりだった―。「標本事件」…監視官・狡噛慎也を猟犬に堕とした事件の真相。TVアニメ12話の脚本家が標本事件の真相を綴る外伝ノベル。【「BOOK」データベースの商品解説】