バンコクで起きた日本人誘拐事件。巨額の身代金と二つの生命を奪い犯人は逃走した。捜査にあたる警視庁の沢木は二人の男と出会う。LA新世紀銀行勤務の結城美智雄と、山の手教会で聖職につく賀来裕太郎。「俺たちは一枚のコインの裏表さ」二人はある共通の過去を背負って生きていた。一方、事件の取材を進めていた牧野京子は、十六年前とある島で起きた酸鼻な事件と疑惑に行き着く。その先には、政府により闇に葬られた凄惨な過去と、そのとき島に残された二人の少年の真実が—。手塚治虫原作の映画「MW」を、本格ピカレスク小説に昇華させた至高のノベライズ。【「BOOK」データベースの商品解説】